1)口腔内に原因がある場合
口臭の原因となる物質は数多くわかっていますが、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドの3種の硫黄化合物が最大のものです。これらの硫黄化合物は、口腔内の種々の細菌の代謝産物として口腔内に存在します。この細菌は、ほとんどが嫌気(けんき)性菌(酸素の存在では増殖しにくい性質)と通性嫌気性菌(酸素があってもなくても増殖できる性質)ですから、むし歯の穴の中や歯周ポケット、厚い舌苔(ぜったい)の中に潜んでいます。
2)糖尿病
ケトン体が呼気中に排泄(はいせつ)されて、甘酸っぱい糖尿病独特の口臭が出ます。
3)肝機能障害
腸管から吸収された硫黄化合物が肝臓で十分に解毒、分解されずに肺を介して呼気中に排泄されてきます。
4)副鼻腔(ふくびくう)炎(蓄膿〈ちくのう〉症)、呼吸器疾患、腎疾患
膿汁(のうじゅう)、アミンなどの臭気物質が排泄されます。
5)女性の生理
因果関係については不明な部分が多いようですが、女性ホルモンの影響で歯肉の炎症性変化をきたし、歯周ポケット内にメチオニンが増加するからと考えられています。